just arrived

あじわう

雑記 私にとっても希望とは、

突然だが、ドラマ「エルピス」を放映後2年経ってようやく見終えた。TVerだってある世の中だというのに中々見進められなかった。ひとえに放映時の反響をふまえて、生半可な気持ちでみてはいけないと思ったからなのだが、それがどういう風の吹き回しか、単に時間が作れただけなのか、自分でもよく分からない巡り合わせで一気に見進めたのがつい最近のこと。

 

長澤まさみ演じる恵那は言った。希望とは信じられることなんだと。

本当に。そうだなと、最近(も)宝塚のことばかり考える頭は妙な実感を覚える。
そもそも正しいなんて分からない、なんてことも作中で言われていた。
そうそう、とここに私が書いたことと同じ感覚だなぁなんて思いながら見た。善玉菌と悪玉菌のたとえは、わかり易さと同時につくづくわれわれは有機体なんだとその忘れがちな事実について考えさせられた。人も、社会も、生きている。そして、こうも述べられた。

夢を見よう。
果たして夢を見られるか。それが問題だ。


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おっさんたちのラブだけじゃないことに気付いて世界

最初に記すが、これは私の妄想であり感想である。

令和のリターンに寄せられた有象無象の期待すべてを形にすることはできなかったのかもしれない、ドラマおっさんずラブリターンズ。

まずそもそも、なんで今、リターンズ? こんななぞなぞを与えられたとするならば、私の答えとしては「盛大なスピンオフ」だったからに尽きると思っている。


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写真は豚バラみたらし団子。みんなもやってみぃ〜? 

ドラマ談義に花を咲かせながら友人宅で食べさせてもらって大変美味しかったのである。ハイカロリー。

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神と人、人と人の絆の意義 宝塚版RRR感想

リアルタイムで感想を書けば目に留まることが増えると実感しビビっている今日この頃。基本的に性悪説を信用しなければと心に言い聞かせている楽観主義者のため、変なことを書いてないかと不安に。時既に遅し、ショーの感想ではおかしな性癖まで暴露していた。ああ。

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薄いベールは剥がされて VIOLETOPIAで夢は見られるか

例えば湖の表面に氷の薄膜が張るように、思惑が重ねられて創られた作品だと感じた。言い換えればそういう意図のようなものが透けて見えるとも言える。

この作品の在り方について、私は好きだと思った。
残像がいつまでもたゆたうが、明瞭ではない。くぐもっていて陰りさえ感じられる世界なのに、気付けば紡がれたメッセージはひどくポジティブで直情的。むしろある意味ポジティブな気さえしてくる。
どうにかして残したい。壊してはならない。
そんな切迫感を客席から客観的に捉えられる点で、なんだかひどく安心してしまった。
加えて言葉遊びがちりばめられた歌詞のこだわり含めて、第一印象とは異なり案外分かりやすい。そんな作品に今まで出会ってきたようで、そうではなかったかもしれない。けれど残された感情は郷愁なんだと思う。

 

と前置きは月並みに尽きないわけで。そんな泡沫の女王の話は後にして、思い出しながら記していこうと思う。

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RRRのタイトルが長すぎてショーの名前が表示されないのはご愛敬。

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雑記 再びひとつとなれるのか

生きているとすぐ忘れてしまうから、その時々の思いを残しておこうと思う。

 

「宝塚はひとつ」という言葉はファンにはなじみ深い。

唯一無二というひとつ。たとえ離れていてもひとつ。組が分かれていてもひとつ。
劇団。生徒。ファン。世界。それぞれの目線、それぞれの立場。色んな意味がこめられて、紡がれてきた言葉であると信じていた。

 


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Un Grande Amore?! Tootsie感想

前略、告白

突然だが、私は山崎育三郎さんの舞台姿に救われたことがある。それ以来、彼のファンなんだと思う。いや、ファンというのもおこがましい。しかし、大仰に言うならば私の心の恩人とでも言えるかもしれない。

思い返せば恥ずかしい位青い与太話。恋だの愛だの経験は決して豊富ではない人生の中で、当時お付き合いしていた方に自らサヨナラを切り出した時のこと。悩んだ末に自分で決めて行動したというのに、相手の反応と中途半端に残ったケーキを目にした途端空気だけでなく心臓の奥の方がぐっと重くなった昼下がり。いつか行ってみたいと思っていた有名店の評判のケーキは、途中から甘すぎて喉元につっかえた。その日の帰り道では、きっと恋愛に縁がないんだなどと嘆いていた気がする。なにこれエッセイ?(笑)
とにかく自業自得な割にむしゃくしゃしていたことは確かだ。そんなざわついた気持ちを抱きながら過ごしていた日々の中で、帝劇の座席に座った。

他の役者目当てで選んだ演目だったのに、終演後には完全にいっくんが演じられていた役に心惹かれていた。ちなみに作品自体は微妙な読後感だった。それなのに、あの役はいつまでも私の救世主として君臨する。とにかく、劇場で観られてよかった。

 

劇場で観て良かったと感じた思い出は、いつまでも色褪せていないようだ。きっと今回の作品、Tootsieも漏れなく該当すると思った次第。

www.tohostage.com

 

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極上に触れ、積もる記憶 G.O.A.T感想

今公演の演目発表後、大劇場公演を経て、月城さんと海乃さんの退団発表があった(はず)。
その上で、発表された公演ポスター画像に、素晴らしい時間になるんだろうなぁと胸が高鳴った。

 

そう、色々ある世の中だけれども。

思い通りになんて進んでいかないし、案の定期待してはガッカリしてを少なからず(私は)繰り返し、しかしながら宝塚の公演を楽しみにしてしまう私も確かに存在する。

 

今を楽しむ。大事な選択だ。でもそれでよいのか。
とっちらかって、もやもやしている。
絶対にあってはならないことが起きたというのに、消費している。
でも消費してまわらなくなったら。消費のあり方が変わるには物凄く時間がかかるとしたら。
そうこうしているうちに、七夕はおろか、一年なんてきっとあっという間だ。
こちらに何ができるだろう。

心の内など他人には見えないけれど、それぞれで忙しない方も多いのではないだろうか。

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